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2017/03/18

皆様こんにちは

衛生士の中村です。

昨年、フィンランドの大学や小学校に歯科学を学びに研修に行きました。

その研修先での講義を何回かに渡ってblogで投稿していきたいと思います。
まずはトゥルク大学Dr.エバの講義を受けてキシリトールと健康の影響について皆様とシェアできればと思います。

今、日本でも様々なダイエット方法が話題になっていますが、ダイエットのkeyは一般的に砂糖の摂取量と知られています。

その砂糖の摂取量は健康にも大きく関わりますが、口腔内にも様々な影響を及ぼします。

その代表例が虫歯ですね。

しかし、一概に砂糖だけが悪者なのでしょうか??
結論からお伝えすると答えはNoです。実は温めたライスを食べた後と砂糖を摂取した後の口腔内の状況は(pH)は同じだという研究結果があるのです。

つまり、ここでのkeyは食後の糖質ということになります。

では、どのように歯の健康を保つのがいいのでしょうか??
成人が虫歯になる要因の多くは、プラークとMS菌(口腔内細菌)といわれています。

MS菌は歯の表面に粘着し、虫歯に一番影響を与える細菌です。

北欧の多くの研究からこのMS菌を抑えるのは《キシリトール》だと発表されました。

ではなぜ、キシリトールがいいのでしょうか?
キシリトールはこのMS菌細胞内のEPS(多糖)を減少させpHを上げることができるのです。(⚠食後は口腔内が酸性に傾きpHが下がり虫歯が出来やすい状況です)

つまり、多糖の細胞を減少できれば、虫歯になりやすい環境から脱却できるのです。
私が予防という概念から一番、摂取して頂きたいのは妊婦さんです。最近では、親から子供に虫歯菌がうつらないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?と質問をうけるのですが、お困りの皆さん、キシリトールを是非摂取してみてはいかがでしょうか。

フィンランドの研究では、2歳までに母親から子供へMS菌が感染した割合は40%を越えるという検査結果があります。

つまり、子供への感染を防ぐためには妊娠期から子供が2歳を越えるまでキシリトールを摂取することでMS菌を減少させ、感染を最小限にできると言われています。
キシリトールは全ての口腔内細菌を抑制することはできませんが、食後の摂取がいかに効果的であるかが分かります。

一番の利点は抗生剤を使えない患者さまや小さなお子さま、妊婦さんも安全に摂取して頂ける点です。
キシリトールの摂取方法は様々です。ガムやタブレット、歯磨き粉などにキシリトールが含まれていますが、ここで大切なことはキシリトール100%かどうか、、砂糖が入っていないかという点です。

フィンランドでは国が推奨している保証マークがパッケージに付いています。これは日本も同じで、特定保健用食品(トクホ)マークがパッケージに付いていますので、簡単にキシリトール100%かどうか判断できます。もちろん、歯科専売のキシリトール製品もキシリトール100%です。

一般販売と歯科専売のガムには異なる点があるのですが、このTopicについてはまた後日blogでお話しさせてください。
さて、話は戻ります。フィンランドではキシリトール1日4~5g(ガムでは3粒以上)を摂取することを推奨されており、保育園や小学校でも食後にキシリトールを食べるよう国が推奨しています。

住んでいる地域によっては市が負担し、キシリトールを配布していたりもします。

ここで、1日5gのキシリトール100%の歯磨き粉を使用したらいいのでしょうか?と質問を頂きそうですが歯磨き粉はうがいをしてしまうので、同じ5gでもガムやタブレットのように摂取できるタイプの方が効果的です。
いかがでしたか?今回はキシリトールと健康の影響についてお話しさせて頂きました。

とても長くなりましたが、是非、皆さまもこの機会にキシリトールについて興味をもって頂ければ嬉しく思います。

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